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1971年製Marshall JMP50 MKII -1987-のオーバーホール

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もうね、完全に機材のことしか書かないブログになってるような気がしないでもないですが、
むかしちびらりドライブを自作したとき、いろいろ試行錯誤して気に入ったトーンになるコツみたいのがあって紙にメモしておいたんですが、そのメモが引っ越ししたときにどこかにいってしまったんですよ笑。
なので今後はこういう「そのときだけしか覚えておけないこと」は、ブログにしっかり書いておこうと思います。
いちばんは自分のため、そしてもしかしたらどこかの誰かの参考にもなることを祈って。



さて今回は、おいどんの愛機である
1971年製Marshall JMP50 MKII 1987 50W LEADのオーバーホールをいたします。
パワー管もだいぶヘタってきましたからね。

なんだか1971年の1987とか、MKIIとか、なにがなんだかって感じですが、
MK IIってのは、Jim MarshallとKen Branのイニシャルという意味と、プロトタイプの初期形がMK I、製品版をMK IIということでマークIIとひっかけたものみたいですね。
商品名はJMP 50で、その中でもギター用のLEADが1987、ベース用のが1986というのが型番の数字で分類されているようです。この数字はRose-Morrisという当時マーシャルが流通代理店で契約していた会社のカタログ品番だったようです。まあ一般的にはマーシャルのプレキシというのが有名なのですが、プレキシ=アクリル素材から70年代に入ってメタルパネルに変更になった頃のモデルがこのアンプです☆

おいどんの大好きなイングヴェイやマイケルシェンカー、そしてジェフベックとかも愛用していたのが、100Wではなく50Wのこのタイプでした。

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この時期のマーシャルは手作業でポイント・トゥ・ポイント配線なのが特徴でして、こういう回路の見た目も音もほんとに原始的な生き物みたいな感じなんですよね。

しかし製造するにはとても作業効率が悪いため、時代の流れとともに1973年くらいからプリント基板に変わっていきます。

プリント基板ていうのはこういうのです
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当時はこれでだいぶ効率良くなったでしょうね〜
マーシャルがどんどん生産を広げていく時期だったんでしょう。
それに当時はプリント基板が最先端でカッコいい!なんて感覚だったのかもしれませんね。

しかし現代となっては、かえってこのポイントトゥポイントのものが珍重され、「音が早い!」とか「音が良い!」という伝説になっております。

しかし、おいどんの意見としましては、アンプの中の音を作る成分は、ほんとにいろんな要素が複雑に密接に絡まってますので、「ポイント・トゥ・ポイントだけで音が最高!」というわけではないと思ってます。
むしろ重要なのは当時のトランスじゃないかなと思います。
当時のトランスは現代では製造できない原料の成分が入ってるみたいですから。

しかしそのトランスさえ良ければよいのではなく、ギターアンプのサウンドは、真空管の状態や、バイアス調整のセッティング、抵抗や電解コンデンサの状態などでもどんとん変わって来ますし、
何よりこの手のビンテージは電源入れて30分くらいすると真空管あったまってどんどん音が変わってきますから・・・汗。
持ち時間30分のライブとかだと、ちょうど最後の曲あたりが良い感じになってたりします笑。





ひとつだけ確実に言えることは、ポイントトゥポイントは回路も単純だしメンテがしやすいっていうことですね。

端子と端子が直接ハンダされてますので点検や交換が簡単です。

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ハンダにはこのように赤いマニキュアがされていて、40年以上前の工場出荷時の証ともなってます。
逆にココが銀色の普通のハンダになっているところは、メンテナンスで交換されたということですね。

ビンテージ愛好家はこれをハンダバージンと言って、なるべくオリジナルの状態で使いたいと思うものなのですが、おいどんのようにライブでガシガシ使うにはどうしても消耗品は交換しなくてはなりませんので、重要な部分は思い切って交換していきますよ。



真空管が消耗品なのは常識ですが、特に重要なのが「電解コンデンサ」というパーツです。

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真空管と並んでそびえ立っている、この青くて大きなのが電解コンデンサーです。
英語だとFILTER CAPACITOR、略してFILTER CAPと表記されます。

このパーツは、大きな電気をいったん貯めこんで整えて吐き出すという働きをするコンデンサなのですが、その重労働のため、実は寿命が5年から10年くらいしかありません。

確認したところ、このアンプは1971年からなんと40年以上交換されてないようなので、これからも大切に使い続けるため、大至急この電解コンデンサを交換することにします。
なおこの電解コンデンサは、電源を切ったあとも大電流を蓄えていることがあり、感電の危険性がありますので十分に注意しなくてはいけません。
作業前には必ず確認して帯電している場合には大至急!放電させる必要があります。

この電解コンデンサーはDALYというメーカーの500V耐圧の50ufを2つ搭載したタイプです。
Marshall 1987 50Wにはこれが3つ使われています。
今回交換するのはF&T社の同じ内容の電解コンデンサ(F&T 50uf x2 500V)なのですが、技術の進化でサイズが半分くらいになってます。

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このプリ部の電解コンデンサのケーブルが短すぎて、サーキットボードを取り外すのに苦労しました。
無理にやると切れてしまいそうで。。。
検討した結果、先ほど説明したハンダのマニキュアを少しでも残すため、あまりやりたくないのですが継ぎ足し配線することにしました。



あともうひとつ重要なのが、このバイアス回路に行く電解コンデンサ。

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これも相当くたびれちゃってますね〜いままで頑張ってくれてありがとうね。
ということでSprague ATOM 8ufの150v耐圧に交換です。

もともと10ufが搭載されてましたが、今回8ufしか手に入らず。。。
でも、もともとの設計では8ufだったようなので、まあ問題ないと思います。


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また、この電解コンデンサをつなぐ抵抗が、オリジナルの設計図上では本来15Kであるところが、なぜか22Kに変更されてました。
なんででしょう???
赤いマニキュアもとれてますし明らかに前のユーザーさんが交換してますね。
ここを本来の数値である15Kに交換しました。
ここは音の信号が通るところではなく、バイアスの電流回路なのでカーボン抵抗(1/2W)ではなく、長期的に耐久性のある金属皮膜抵抗(1W)に交換しました。

カーボンは+-5%くらい誤差はありますが、その次の47k抵抗は経年劣化で50kくらいまで抵抗値上がってしまってて、結果としてバイアス調整ポット(27k)も時計回りに振り切ってもバイアス電流が適正値にならなくなってしまっていたので、ここを思いきって30kまで下げることにします。ここも金属皮膜抵抗に交換しました。

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初段のバイパス電解コンデンサ(V1 Cathode Bypass Cap)も交換です。



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250ufの6Vが搭載されてましたが、Philipsの220uf/45Vにしてみました。
ほんとは105℃に耐えられるのがよかったんですが85℃でも大丈夫かなぁ。
ここは音に影響あるところなので、様子みて変更するかもしれません。
ここの値が大きいと低域が出るみたいです。

まあとにかく電解コンデンサは、全取っ替えするのが精神衛生上よいですからね。

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さらにポラリティスイッチからアースに落ちるところにある0.05uf 1000Vコンデンサも写真では上手く撮れませんでしたが表面に白い粉が出ちゃってて危ないので交換です。

Malloryの0.047uf 600Vにします。

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あと70年代初期のマーシャルには、パワー管にスクリーングリッド抵抗が搭載されてません。
現代の真空管を使うにはこれはあった方がよいみたいなので、追加しておきます。

5W耐圧の1KΩのセメント抵抗です。4番ピンと6番ピンにさくっとつけました。

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さらに5番ピンにGRID STOPPER抵抗(5.6k 1/2W カーボン抵抗)をつけると発振が押さえられるということのですが、特にこのアンプは発振で困ってないので今回は見合わせます。


ついでに電源ケーブルも経年劣化でヘタってますので全交換しました。
おいどん愛用のベルデンの19364に交換。ドレイン線はプラグ側のみに接続です。

メッシュで保護してプラグもマリンコ8215にしました。


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さらに、ビンテージマーシャルのインピーダンスセレクターはパコっと引っこ抜いて差しこむだけ・・・というとっても不安な構造になっており接点不良の危険があるため、16Ωアウトプットを大至急直結しました。
おいどんは16Ω以外は使いませんからね。
ついでにアウトプットジャックもヘタってたので交換です。この辺は消耗品ですね。

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さらに、今回ネットでいろいろ調べてたら発覚したんですが、1970年代初期のマーシャルの一部に工場出荷時からの配線間違いがあり、この白い線は本来はスタンバイスイッチに配線されなくてはいけないとのこと。

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たしかにこの配線だと、スタンバイスイッチがオフでも電源オンと同時にバイアス回路に電流が流れてしまってますね笑。
なんと40年以上もこのままだったとは汗。
というわけで、大至急配線をやり直しておきました。

日本語でこのことを解説してる記事は見かけなかったので、70年代初期のマーシャルをお持ちの方はご注意くださいね。


最後にヒューズを、スローブローの3A/250Vと、スローブローの500mA/250Vに交換しました。
3Aの方はクライオ処理されてるやつにしてみました。

スローブローとファーストブローで音が違ったりもするみたいなので、この辺も今後検討してもよいかもですね。



それではパワー管を交換し、自作のバイアスチェッカーでバイアス調整をしていきます。


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このバイアスチェッカーの作り方は・・・まああまりマニアックになりすぎるのもアレなので今回はやめときますか笑。
赤がプレート電圧、緑がカソード、黄色がグリッドバイアス、黒はアースです。



これまでパワー管はグルーヴチューブのを愛用してましたが、今回はエレハモにしてみます☆



では、いよいよバイアス調整です。

手順と注意事項をしっかり守らないと、アンプを痛めてしまいますので要注意です。


【1】ダミーロードをスピーカーアウトへ装着。おいどんは愛用しているFRYETTE POWER STATION2へ接続しています。

【2】アンプの電源を入れる前に、バイアスチェッカーを真空管にはかせ、黒にテスターの黒を、赤にテスターのプラスを接続。

【3】アンプの電源をオン。2〜3分して真空管があったまってからスタンバイスイッチをオン。

これでプレート電圧を計測です。

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366Vですね。
USA仕様の120Vを、日本の100Vであえて使用してるので、まあこんなもんでしょうかね。

ここでプレート電圧をもとに、適正バイアスの値を計算します。


【適正バイアスの公式】

プレート損失MPD=25W
SCREEN=5W
25W + 8W=33W

LOW
(MPD x 500) / Plate Voltage

HIGH
(MPD+SCREEN)x636 / Plate Voltage

LOW 25×500 ÷ 366 =34.1
HIGH 25+8 × 636 ÷ 366 =57.3

というわけで、プレート電圧366Vの場合は、34.1から57.3の間が適正値となります。
この間で、好みのサウンドにすれば問題ないですよってことですね。

バイアス調整抵抗をトランスから見て反時計回りに回しきって絞った状態から、少しずつ上げて行って適正値の中で好みのサウンドになるところに調整します。
(※バイアス調整の抵抗の回す方向はアンプによって異なるかも知れませんのでご注意ください)


【4】カソードを計測する前に、アンプの電源を切ってからテスターの黒はそのまま、緑にテスターのプラスを接続。


【5】すべてのつなぎかえの作業は、いちいちアンプのスタンバイと電源を切ってから行い、各真空管1本ずつ計測して、もろもろ良い感じになればOK!ということです。
バイアスチェッカーには1Ωの抵抗が入ってるので、「オームの法則」により、テスターで電圧、mVを調べればそれはカソード電流mAと同じになるのですだ。



左の1番真空管が44mv

右の 2番真空管が55mv

と表示されてますが、実はふたつ作ったバイアスチェッカーの1Ω抵抗が、テスターで計測したらそれぞれ1.4Ωと1.2Ωと誤差があったので、いちいちこの数値で割らないといけません。面倒ですが仕方ないですね。。。

で、なんども調整しつつ、こんな感じになりました。

3_20180130105955160.jpg


44/1.2=36.6

55/1.4=39.3

という計算になります。

適正値のLOWくらいですね。
もうちょい上げてもよいかもですが、ここから実際に弾きながら好みのところで微調整です☆



マッチドペアと言っても完全に一致することはめったにありませんし、こんなもんは弾いてるうちにどんどん変わってきますから、だいたいでよいと思います。

要は適正値の範囲で使うと、真空管やトランスなどに悪影響が少ないですよ〜というだけの話ですから。

ネガティブボルテージもマイナス30V。
もすこしあってもいいですが、まあ問題ないでしょう。

こんな感じでバイアス調整完了!



ROSEMARY.jpg


インスペクションシートも透明シートで保護しました。

70年代のヴィンテージマーシャル愛好家の間で都市伝説のようになっている話があるんですが、
アンプ内部の製造工程を確認するタグに、Rosemaryという女性のサインがあると音が良い!というオカルトめいたお話です笑。

このBACK PANELの横のサインがどうやらRosemaryさんのようです。

Bassとか10〜8とかぐちゃぐちゃっと書いてるのは意味不明ですが、
Marshall 1987LEADの回路を少し変更するだけで当時発売されていた1986 BASSに変更できるんです。

なので、このLEADはいろいろな持ち主に使われてきた中で、一時BASS仕様にて使用されていたのかもしれませんね。
そのときに、LEADの文字を消してBASSにしたのかもしれません。
なお現在は普通のLEADの回路に戻っています。


自分が生まれる前の1971年の10月19日に、Rosemaryさんという美しい女性がイギリスのMilton Keynesでこのアンプを組み立ててくれたんだなぁなんていう妄想しつつ、こんな風にいろいろ推理してみるのも面白いですよね☆

伝説のRosemaryさんの祝福を受けたこのMarshallが一体どんなサウンドなのか、ぜひライブに聞きにきてくださいね(^○^)


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こんな感じで、71年製マーシャル50wさんには、まだまた現役で頑張っていただきますよ〜(^○^)



【注意】
こちらの内容は、電気の基礎知識がない方には非常に危険です。
むやみにギターアンプの内部をイジることは、よい子は絶対にしてはいけません。
自信がない方はリペアショップに出してオーバーホールしてもらいましょう。
  1. 2018/01/23(火) |
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