あっきーブログ

1971年製Marshall JMP50 MKII -1987-のオーバーホール

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もうね、完全に機材のことしか書かないブログになってるような気がしないでもないですが、
むかしちびらりドライブを自作したとき、いろいろ試行錯誤して気に入ったトーンになるコツみたいのがあって紙にメモしておいたんですが、そのメモが引っ越ししたときにどこかにいってしまったんですよ笑。
なので今後はこういう「そのときだけしか覚えておけないこと」は、ブログにしっかり書いておこうと思います。
いちばんは自分のため、そしてもしかしたらどこかの誰かの参考にもなることを祈って。



さて今回は、おいどんの愛機である
1971年製Marshall JMP50 MKII 1987 50W LEADのオーバーホールをいたします。
パワー管もだいぶヘタってきましたからね。

なんだか1971年の1987とか、MKIIとか、なにがなんだかって感じですが、
MK IIってのは、Jim MarshallとKen Branのイニシャルという意味と、プロトタイプの初期形がMK I、製品版をMK IIということでマークIIとひっかけたものみたいですね。
商品名はJMP 50で、その中でもギター用のLEADが1987、ベース用のが1986というのが型番の数字で分類されているようです。この数字はRose-Morrisという当時マーシャルが流通代理店で契約していた会社のカタログ品番だったようです。まあ一般的にはマーシャルのプレキシというのが有名なのですが、プレキシ=アクリル素材から70年代に入ってメタルパネルに変更になった頃のモデルがこのアンプです☆

おいどんの大好きなイングヴェイやマイケルシェンカー、そしてジェフベックとかも愛用していたのが、100Wではなく50Wのこのタイプでした。

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この時期のマーシャルは手作業でポイント・トゥ・ポイント配線なのが特徴でして、こういう回路の見た目も音もほんとに原始的な生き物みたいな感じなんですよね。

しかし製造するにはとても作業効率が悪いため、時代の流れとともに1973年くらいからプリント基板に変わっていきます。

プリント基板ていうのはこういうのです
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当時はこれでだいぶ効率良くなったでしょうね〜
マーシャルがどんどん生産を広げていく時期だったんでしょう。
それに当時はプリント基板が最先端でカッコいい!なんて感覚だったのかもしれませんね。

しかし現代となっては、かえってこのポイントトゥポイントのものが珍重され、「音が早い!」とか「音が良い!」という伝説になっております。

しかし、おいどんの意見としましては、アンプの中の音を作る成分は、ほんとにいろんな要素が複雑に密接に絡まってますので、「ポイント・トゥ・ポイントだけで音が最高!」というわけではないと思ってます。
むしろ重要なのは当時のトランスじゃないかなと思います。
当時のトランスは現代では製造できない原料の成分が入ってるみたいですから。

しかしそのトランスさえ良ければよいのではなく、ギターアンプのサウンドは、真空管の状態や、バイアス調整のセッティング、抵抗や電解コンデンサの状態などでもどんとん変わって来ますし、
何よりこの手のビンテージは電源入れて30分くらいすると真空管あったまってどんどん音が変わってきますから・・・汗。
持ち時間30分のライブとかだと、ちょうど最後の曲あたりが良い感じになってたりします笑。





ひとつだけ確実に言えることは、ポイントトゥポイントは回路も単純だしメンテがしやすいっていうことですね。

端子と端子が直接ハンダされてますので点検や交換が簡単です。

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ハンダにはこのように赤いマニキュアがされていて、40年以上前の工場出荷時の証ともなってます。
逆にココが銀色の普通のハンダになっているところは、メンテナンスで交換されたということですね。

ビンテージ愛好家はこれをハンダバージンと言って、なるべくオリジナルの状態で使いたいと思うものなのですが、おいどんのようにライブでガシガシ使うにはどうしても消耗品は交換しなくてはなりませんので、重要な部分は思い切って交換していきますよ。



真空管が消耗品なのは常識ですが、特に重要なのが「電解コンデンサ」というパーツです。

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真空管と並んでそびえ立っている、この青くて大きなのが電解コンデンサーです。
英語だとFILTER CAPACITOR、略してFILTER CAPと表記されます。

このパーツは、大きな電気をいったん貯めこんで整えて吐き出すという働きをするコンデンサなのですが、その重労働のため、実は寿命が5年から10年くらいしかありません。

確認したところ、このアンプは1971年からなんと40年以上交換されてないようなので、これからも大切に使い続けるため、大至急この電解コンデンサを交換することにします。
なおこの電解コンデンサは、電源を切ったあとも大電流を蓄えていることがあり、感電の危険性がありますので十分に注意しなくてはいけません。
作業前には必ず確認して帯電している場合には大至急!放電させる必要があります。

この電解コンデンサーはDALYというメーカーの500V耐圧の50ufを2つ搭載したタイプです。
Marshall 1987 50Wにはこれが3つ使われています。
今回交換するのはF&T社の同じ内容の電解コンデンサ(F&T 50uf x2 500V)なのですが、技術の進化でサイズが半分くらいになってます。

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このプリ部の電解コンデンサのケーブルが短すぎて、サーキットボードを取り外すのに苦労しました。
無理にやると切れてしまいそうで。。。
検討した結果、先ほど説明したハンダのマニキュアを少しでも残すため、あまりやりたくないのですが継ぎ足し配線することにしました。



あともうひとつ重要なのが、このバイアス回路に行く電解コンデンサ。

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これも相当くたびれちゃってますね〜いままで頑張ってくれてありがとうね。
ということでSprague ATOM 8ufの150v耐圧に交換です。

もともと10ufが搭載されてましたが、今回8ufしか手に入らず。。。
でも、もともとの設計では8ufだったようなので、まあ問題ないと思います。


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また、この電解コンデンサをつなぐ抵抗が、オリジナルの設計図上では本来15Kであるところが、なぜか22Kに変更されてました。
なんででしょう???
赤いマニキュアもとれてますし明らかに前のユーザーさんが交換してますね。
ここを本来の数値である15Kに交換しました。
ここは音の信号が通るところではなく、バイアスの電流回路なのでカーボン抵抗(1/2W)ではなく、長期的に耐久性のある金属皮膜抵抗(1W)に交換しました。

カーボンは+-5%くらい誤差はありますが、その次の47k抵抗は経年劣化で50kくらいまで抵抗値上がってしまってて、結果としてバイアス調整ポット(27k)も時計回りに振り切ってもバイアス電流が適正値にならなくなってしまっていたので、ここを思いきって30kまで下げることにします。ここも金属皮膜抵抗に交換しました。

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初段のバイパス電解コンデンサ(V1 Cathode Bypass Cap)も交換です。



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250ufの6Vが搭載されてましたが、Philipsの220uf/45Vにしてみました。
ほんとは105℃に耐えられるのがよかったんですが85℃でも大丈夫かなぁ。
ここは音に影響あるところなので、様子みて変更するかもしれません。
ここの値が大きいと低域が出るみたいです。

まあとにかく電解コンデンサは、全取っ替えするのが精神衛生上よいですからね。

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さらにポラリティスイッチからアースに落ちるところにある0.05uf 1000Vコンデンサも写真では上手く撮れませんでしたが表面に白い粉が出ちゃってて危ないので交換です。

Malloryの0.047uf 600Vにします。

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あと70年代初期のマーシャルには、パワー管にスクリーングリッド抵抗が搭載されてません。
現代の真空管を使うにはこれはあった方がよいみたいなので、追加しておきます。

5W耐圧の1KΩのセメント抵抗です。4番ピンと6番ピンにさくっとつけました。

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さらに5番ピンにGRID STOPPER抵抗(5.6k 1/2W カーボン抵抗)をつけると発振が押さえられるということのですが、特にこのアンプは発振で困ってないので今回は見合わせます。


ついでに電源ケーブルも経年劣化でヘタってますので全交換しました。
おいどん愛用のベルデンの19364に交換。ドレイン線はプラグ側のみに接続です。

メッシュで保護してプラグもマリンコ8215にしました。


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さらに、ビンテージマーシャルのインピーダンスセレクターはパコっと引っこ抜いて差しこむだけ・・・というとっても不安な構造になっており接点不良の危険があるため、16Ωアウトプットを大至急直結しました。
おいどんは16Ω以外は使いませんからね。
ついでにアウトプットジャックもヘタってたので交換です。この辺は消耗品ですね。

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さらに、今回ネットでいろいろ調べてたら発覚したんですが、1970年代初期のマーシャルの一部に工場出荷時からの配線間違いがあり、この白い線は本来はスタンバイスイッチに配線されなくてはいけないとのこと。

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たしかにこの配線だと、スタンバイスイッチがオフでも電源オンと同時にバイアス回路に電流が流れてしまってますね笑。
なんと40年以上もこのままだったとは汗。
というわけで、大至急配線をやり直しておきました。

日本語でこのことを解説してる記事は見かけなかったので、70年代初期のマーシャルをお持ちの方はご注意くださいね。


最後にヒューズを、スローブローの3A/250Vと、スローブローの500mA/250Vに交換しました。
3Aの方はクライオ処理されてるやつにしてみました。

スローブローとファーストブローで音が違ったりもするみたいなので、この辺も今後検討してもよいかもですね。



それではパワー管を交換し、自作のバイアスチェッカーでバイアス調整をしていきます。


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このバイアスチェッカーの作り方は・・・まああまりマニアックになりすぎるのもアレなので今回はやめときますか笑。
赤がプレート電圧、緑がカソード、黄色がグリッドバイアス、黒はアースです。



これまでパワー管はグルーヴチューブのを愛用してましたが、今回はエレハモにしてみます☆



では、いよいよバイアス調整です。

手順と注意事項をしっかり守らないと、アンプを痛めてしまいますので要注意です。


【1】ダミーロードをスピーカーアウトへ装着。おいどんは愛用しているFRYETTE POWER STATION2へ接続しています。

【2】アンプの電源を入れる前に、バイアスチェッカーを真空管にはかせ、黒にテスターの黒を、赤にテスターのプラスを接続。

【3】アンプの電源をオン。2〜3分して真空管があったまってからスタンバイスイッチをオン。

これでプレート電圧を計測です。

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366Vですね。
USA仕様の120Vを、日本の100Vであえて使用してるので、まあこんなもんでしょうかね。

ここでプレート電圧をもとに、適正バイアスの値を計算します。


【適正バイアスの公式】

プレート損失MPD=25W
SCREEN=5W
25W + 8W=33W

LOW
(MPD x 500) / Plate Voltage

HIGH
(MPD+SCREEN)x636 / Plate Voltage

LOW 25×500 ÷ 366 =34.1
HIGH 25+8 × 636 ÷ 366 =57.3

というわけで、プレート電圧366Vの場合は、34.1から57.3の間が適正値となります。
この間で、好みのサウンドにすれば問題ないですよってことですね。

バイアス調整抵抗をトランスから見て反時計回りに回しきって絞った状態から、少しずつ上げて行って適正値の中で好みのサウンドになるところに調整します。
(※バイアス調整の抵抗の回す方向はアンプによって異なるかも知れませんのでご注意ください)


【4】カソードを計測する前に、アンプの電源を切ってからテスターの黒はそのまま、緑にテスターのプラスを接続。


【5】すべてのつなぎかえの作業は、いちいちアンプのスタンバイと電源を切ってから行い、各真空管1本ずつ計測して、もろもろ良い感じになればOK!ということです。
バイアスチェッカーには1Ωの抵抗が入ってるので、「オームの法則」により、テスターで電圧、mVを調べればそれはカソード電流mAと同じになるのですだ。



左の1番真空管が44mv

右の 2番真空管が55mv

と表示されてますが、実はふたつ作ったバイアスチェッカーの1Ω抵抗が、テスターで計測したらそれぞれ1.4Ωと1.2Ωと誤差があったので、いちいちこの数値で割らないといけません。面倒ですが仕方ないですね。。。

で、なんども調整しつつ、こんな感じになりました。

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44/1.2=36.6

55/1.4=39.3

という計算になります。

適正値のLOWくらいですね。
もうちょい上げてもよいかもですが、ここから実際に弾きながら好みのところで微調整です☆



マッチドペアと言っても完全に一致することはめったにありませんし、こんなもんは弾いてるうちにどんどん変わってきますから、だいたいでよいと思います。

要は適正値の範囲で使うと、真空管やトランスなどに悪影響が少ないですよ〜というだけの話ですから。

ネガティブボルテージもマイナス30V。
もすこしあってもいいですが、まあ問題ないでしょう。

こんな感じでバイアス調整完了!



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インスペクションシートも透明シートで保護しました。

70年代のヴィンテージマーシャル愛好家の間で都市伝説のようになっている話があるんですが、
アンプ内部の製造工程を確認するタグに、Rosemaryという女性のサインがあると音が良い!というオカルトめいたお話です笑。

このBACK PANELの横のサインがどうやらRosemaryさんのようです。

Bassとか10〜8とかぐちゃぐちゃっと書いてるのは意味不明ですが、
Marshall 1987LEADの回路を少し変更するだけで当時発売されていた1986 BASSに変更できるんです。

なので、このLEADはいろいろな持ち主に使われてきた中で、一時BASS仕様にて使用されていたのかもしれませんね。
そのときに、LEADの文字を消してBASSにしたのかもしれません。
なお現在は普通のLEADの回路に戻っています。


自分が生まれる前の1971年の10月19日に、Rosemaryさんという美しい女性がイギリスのMilton Keynesでこのアンプを組み立ててくれたんだなぁなんていう妄想しつつ、こんな風にいろいろ推理してみるのも面白いですよね☆

伝説のRosemaryさんの祝福を受けたこのMarshallが一体どんなサウンドなのか、ぜひライブに聞きにきてくださいね(^○^)


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こんな感じで、71年製マーシャル50wさんには、まだまた現役で頑張っていただきますよ〜(^○^)



【注意】
こちらの内容は、電気の基礎知識がない方には非常に危険です。
むやみにギターアンプの内部をイジることは、よい子は絶対にしてはいけません。
自信がない方はリペアショップに出してオーバーホールしてもらいましょう。
  1. 2018/01/23(火) |
  2. ギター・エフェクター

電池交換祭

さて、一部のギターマニアな方々からすこしだけ反響をいただいているこの企画!

2017年、シンセサイザーRoland D-50の掃除と電池交換から始まったこの企画。。。

思い立ったら吉日、ということで、手元の機材を次々に電池交換していくことにしました!



まずはおいどんが高校生の頃買った、ZOOMの9030!

初めて買ったラックエフェクターです。ハーフラックなのがカッコよかった!!!

とにかくいろんなエフェクターがいっぱい入ってて、マルチエフェクターってすげえ!って感じで嬉しかったんです。



中でも画期的だったのが、


BOMERとかいう謎のエフェクトが搭載されており、

その名の通り、

ギターを弾くと、ピッキングと同時にちゅどーん!と爆発音が鳴るという驚愕のエフェクターでした!!!笑。


コチラの想像の遥か5万年くらい先を行ってるエフェクターで、現在でも使いどころをまだ発見できておりませぬ。。。笑。

なにげにミックスとかもいじれたりして、、、
もしかして使えるかも?って一瞬思ったんですが、
「ごめんやっぱりないわ〜!」っていう気持ちにさせてくれる素晴らしいエフェクトでした笑。


歪みとかは当時のZOOMさん頑張ってはいたんですが、いかんせんイマイチで、BOSSのDS-2と組み合わせて空間系専用で使ってました。


いつかBOMBERが使いこなせるギタリストになりたいです。。。



さ、さて、では電池交換をば。。。




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この頃のZOOMさんは、現在の私の経験と知識から正直に申し上げますと、まだまだ音質クオリティ面ではトップクラスではありませんでしたが、いやはや現在ではもうほんとに世界トップクラスと言って全く問題ないハイクオリティの製品をリーズナブルに提供し続けてらっしゃいます!

斬新な発想力と、素晴らしい技術力!!!

日本が世界に誇るエフェクターメーカーさんでございます!!!



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というわけで、先日ご案内したスーパー電池交換システムで、さくっと電池交換いたしました☆








さあお次は、、、おいどんが生まれて初めて購入したラックプリアンプ!

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Digitech GFX-1です。


こちらも先日ご紹介したMarshall JMP-1と同様、「ADA MP-1に対抗してみよう」シリーズです笑。

しかも特徴としては、チューブを搭載しているのにプラスして、Digitechならではのマルチエフェクトも搭載!
専用フットスイッチにプリセット名も表示できるのが最高でした☆


音もなかなか良い感じで、SATUATIONという項目があってコレをマックスにすると、けっこう真空管のニュアンスが出て良い感じの歪みになります。


JMP-1を手に入れるまでは、コレをメインに使ってましたね。


このプリアンプ、そのむかし、90年代にギターシンセを多用していたリッチーブラックモア大先生のラックにも一瞬入っていたことがありました。

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この画像をよ〜く見るとFLANGERのプリセットになっているようです。。。

このFLANGER、、、お世辞にも高品位とは言えないんですが、、、汗。。。


隠し味的に使ってたんでしょうかねぇ。



で、電池交換しようと開けてみたら、、、

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なんじゃあこりゃあ!!!


4.5Vの四角い電池が搭載されているっ


これはオールドのMacintoshとかでも使用されていた特殊な電池で、ちょっとなかなか手に入りません。

というわけで、プリセット保存ごときに4.5Vも要求してんじゃねえよ!っということで、問答無用で3Vの2032に変換いたしました笑。

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動作確認しましたが、3Vでぜんぜん問題ないようです。

でも20年以上、よくプリセットを覚えていてくれました。。。感動。。。


なお、この子はチューブの歪みの音は温かみがあってすっごく良いんですが、

搭載エフェクターの音質はちょっとショボいのが残念でした。。。

特にコーラスはほんとショボイ・・・笑。


ただ、ディレイ、コーラス、コンプもあって、コレ一台で、なんとかなるっちゃなるので、けっこう便利でしたね☆








続いて同じくDigitechのTSR-24!
画像のいちばん下の子です。

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この子は空間系エフェクターとしてはとても優秀でしたね〜

tc.electronicのG-FORCEに負けないくらい☆


アルゴリズムでディレイをいくつも連チャンで使えたり出来たりして、とても面白かったです。

中身にDSPを追加搭載することでTSR-24Sと同じにバージョンアップ出来たんですが、ついにそのチャンスはないまま、、、tc.G-FORCEがあればもうそれでOKということで、引退となりました。

一時期ちびらりのライブでFLANGER専用で使ってたこともありましたな。
FLANGERはG-FORCEよりこっちのがエグくて良かったんですよ!


さて、中身を開けてみますか・・・


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なんじゃあこりゃあ!!!




電池がない・・・




まじか?



ほんとに???




と思ったその瞬間!



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ココにあった!!笑。



回路が複雑すぎて基盤一枚で入りきらず、こんな二階建て構造に。。。設計者の苦心が見えますね。。。笑。



たしかこのディレイはPERSONZの本田さんが長く使ってたはず。
90年代を代表する名機と言って良いのではないでしょうか。







さて、お次はROCKTRON INTELLIFEX!!!



画像の下から2番目です。



これはもう、たいへん長らくお世話になりましたね。


G-FORCEを手に入れるまでは、
90年代はJMP-1とINTELLIFEXのゴールデンコンビでよく頑張りました!


特にダッキングディレイと言って、弾いているときは小さめディレイ音で、弾き終わるとディレイ音がスムースに大きくなる機能があって、これがとても秀逸でした。

またコーラスもアメリカ的なこってり風味で、特に8 VOICEコーラスは、この子にしか出来ないとんでもない甘さのアメリカンキャンディのような味の濃さでした。

あとROCKTRONの伝家の宝刀のHUSHもなかなか良かったですなぁ☆


しかし、やっぱり全体的に味付けがアメリカンなんですよね。
音の空間の湿度。。。モイスチャー成分がもう少し欲しい。


スピルオーバー機能もないし。。。


tc.G-FORCEを導入して、あの北欧のひんやりした湿度のある残響音に魅了されてしまってからは、現役引退となりました。


ってことで、


いざ電池交換をば。。。



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なんじゃあこりゃあ!!!




これも電池がない・・・




しかも二階建てでもない。。。







こんなときは、、、


大至急!!!




代理店の日本エレクトロハーモニクスさんに電話!!!笑。





なんとINTELLIFEXとか、ROCKTRONの一部の機種は、揮発性メモリで電力入らずでメモリーしているのだそうです!!!



すげえっ!!!



これにはビビりました。


このインテリフィックスこれが初期型でSIAM SHADEのDAITAさんも使ってましたね。

このあとインテリフィックスオンラインとかいろいろなバージョンが発売されたんですが、なぜか初期型と音が違ってしまってたんですよねぇ。
さらに進化したXPRESSIONというのも一時期使ってたんですが、どうしてもRocktronというと、この初期型インテリフィックスに戻ってきてしまうのです。


20年以上前のエフェクターですが、これからも大切に使って行きたいと思います。


ずっとギターを弾いて歳を重ねて行くと、
ガムシャラだった当時に一生懸命バイトして買って弾きこんだ機材たちが、気がつけばビンテージみたいになってたりして感慨深いですね。

久しぶりに音を出してみると当時の思い出が蘇ってきたり。

ほんとに、エレキギターって素晴らしいですね☆






  1. 2018/01/22(月) |
  2. ギター・エフェクター

Marshall JMP-1

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ごく一部に大好評の備忘録シリーズ!
今回はMarshall JMP-1について書いてみようと思います。



Marshall JMP-1。。。
これはMarshall史上初の(最後かもしれない?)MIDIプログラマブル・プリアンプです。

MIDIプログラマブルってのがミソです。


これは90年代初頭に登場して、すぐ入手しましたねえ。資料(マーシャルアンプ大名鑑)によりますと92年末に発売とのこと。


あの頃は、ラックシステムが「プロ用機」って感じで憧れだったんですよね。


というか、現代のようにコンパクトエフェクターでラックのように多機能で高品位なものがあまりなかったということもあります。

ラックエフェクターが世に出て来る前のエレキギターの機材って、アンプもエフェクターも種類もたくさんなかったみたいなんですね。

70年代初期のマーシャルアンプも、ギター用とベース用っていう区分もあまりない感じで、回路もほとんど同じだったり。。。

そもそもエレキギター用機材っていうのが少ないので、チューブスクリーマーとかBOSS OD-1がない時代に、なんか歪みが足りないよねっていう話になったら、レコーディング現場のいろんなのつないでみる?テープエコーとかつないでちょっとINPUTでブーストとかしてみよう。。。うん、あとはやっぱり気合いだよね!

・・・みたいな、、、おそらくそんな感じの70年代だったわけですよね。



で、80年代になってくるとどんどん世の中のデジタル化が進み、

デジタルは良いことだ!ということになり、

なんでもかんでもデジタル!デジタル!

デジタル腕時計からはじまって、

ニンテンドーはゲームウオッチを発売し、

トヨタソアラのスピードメーターまでデジタル表示になっちゃうよ!という時代になってくると、

レコーディング機材の方もいよいよデジタル化が進んでいくわけです。



SONYから登場したPCM-3324というデジタルマルチトラック24チャンネルレコーダーが1984年に登場。

レコーディングできるトラック数も増えて、良い感じの打ち込みドラムマシンも登場してきて、ヤマハから世界初のデジタルシンセDX-7が登場して、音楽もシュパーン!キラキラ〜!みたいな80年代特有のキラキラしたポップスになってくるわけです。


そういうオケになじむべく、当然ディレイもプレートとかテープとかアナログではなく、やっぱりデジタルでしょ!ってことでデジタルディレイが登場。


そしてデジタルディレイ戦争が勃発です。


国産初のデジタルディレイはおそらくRoland SDE-2000だと思われます。

1981年発売。さらにその上位機種のSDE-3000は、ほぼ全てのレコーディングスタジオにあるくらい勢いだったかと。



それに対抗してKORGからあからさまにケンカを売っているかのような品番のSDD-3000も1982年末に登場。

スタジオで重宝されたRoland SDE-3000に比べて、KORGのはガッツのある音色で、U2のエッジとか布袋さんがステージで使ったりしてロックギタリストに愛用されて有名になりました。

KORG SDD-3000はプリアンプ部に特徴があり、インプットを上げることでガッツのあるファットなサウンドが得られたんですね。

がしかし、ひとつ残念なのはどちらもMIDIがないことですね。。。


ラックシステムの巨匠、ブラッドショウ先生はRoland SDE-3000を好んで選んでいたようです。


ブラッドショウ先生と言えば、こういったデジタルディレイとかを綺麗に鳴らしたいってなると、歪みの前に残響音があると残響音が歪んで濁ってしまいますから、やはりプリアンプとパワーアンプの間にラックエフェクターを入れるのが理想だよね・・・っていうところに、
突如としてとてつもない高い壁のようにそびえ立って現れたのがスティーブルカサーのラックシステムで、
ボブ・ブラッドショウ大先生によってデザインされた「プリアンプとラックエフェクターをスイッチングシステムで一括コントロールしてパワーアンプで出力するというシステムを構築すると、こんなにハイクオリティで多彩なサウンドがスイッチ一発で呼び出せるんですね〜っ」ていう話になってくるわけです。

そういう感じでラックシステムっていうのがどんどん巨大化して「ラック機材=ハイクオリティ」という神話が構築されていき、世界中のギタリストが、プリアンプ、エフェクター、パワーアンプ、キャビネットを好みに合わせてくみ上げて行くっていうのが主流になっていったんですね☆


プロアーティストのステージ上も、冷蔵庫みたいなのがずら〜っと並ぶのがスゴかった時代。


大きいことはいいことだ!


デジタルなのはいいことだ!


プロミュージシャンはみんなラックを使っている!かっこいい!


みたいな流れですね。


でも、空間系はデジタルが主流になっていきましたが、ギターアンプは、やはり真空管のアナログサウンドがいいよね!っていうことになっておりました。

ギタリストの耳が、そう判断したんですよね。


そういう時代に導かれるように、アナログ回路で真空管搭載で、そのプリセットをMIDIでコントロールしよう!ということで、80年代後半にADA MP-1が発売され、ギタリストたちが一斉に使用しはじめます。

プリセットをMIDIコントロールで、デジタル機器と一緒に制御できることは、ステージでもやはり便利なんですよね。


で、そのADA MP-1の大人気に対抗して、おいおいちょっと待てよ!っていう感じで登場したのが、本家MarshallのJMP-1でした。
さっきのデジタルディレイじゃないですけど、もう製品名からしてケンカを売ってるとしか思えませんよね笑。

アナログにずっとこだわってきたアンプの王者マーシャルが、ついにMIDI搭載のプリアンプを発売!ということで衝撃でした。

そんなJMP-1はヴィンテージライクなOD-1と、ちょっとモダンな感じのOD-2と、CLEANも2チャンネルあって合計4チャンネルをMIDIコントロールできる素晴らしい内容でした。


やっぱり当たり前ですが、ADA MP-1よりはマーシャルらしいサウンドってのがポイントです笑。


でもやはりパワーアンプでもしっかり歪ませる音作りにしないと、なかなかマーシャルヘッドに肉薄できないんですけどね。


でもこのJMP-1にしかないサウンドがあり、いまだにたくさんのギタリストに愛用されてるのです。



なにげに特筆すべきは、スピーカーキャビネットをシミュレートしたアウトが搭載されており、このサウンドが秀逸でした。


90年代当時の自宅録音は、ほぼこれのみで済ませてましたねぇ。



さて、すごい話が脱線してしまいましたが、、、電池交換〜



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2006年に一度、電池交換してるんですが、当時はハンダで直接電池に配線する強引な手法だったので、
今回は今後のメンテナンス性も含めて、電池ホルダーにしてみました☆

電池交換した後は、OD1とCLEAN1を同時に押しながら起動してファクトリーリセットが必要です。

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そして技術は進歩し、コンパクトエフェクターでもラック並みに高品質な空間系が発売されたり、

ヘッドみたいに良い音のする歪みエフェクターもどんどん発売され、

スイッチングシステムもラックではなく足下で完結できるようになると、

デカイ、重い、高い、というラックシステムはやがて衰退していったのでした。。。



でもやっぱり、あのときのプロ用機材!っていう憧れの気持ちはずっと残ってます。


Marshallの名機 JMP-1は、今でも自宅で練習やレコーディングに大活躍してくれております☆


いつかまたライブでも使いたいですね〜(^○^)
  1. 2018/01/20(土) |
  2. ギター・エフェクター

藤岡先生ありがとう


ギタリスト藤岡幹大先生が、1月5日にお亡くなりになりました。

藤岡先生はESPのモニターアーティストであり、MI JAPAN、およびESP Music Schoolの講師もされてましたので、

僕はESPとスタッフとして大変お世話になりました。



あまりにも突然のことで、まったく心の整理がつきませんが、、、

たくさんの方がいろいろな形で追悼されているのを見させていただき、

大好きな藤岡先生のことを、僕も一筆書かせていただきたいと思いました。

このブログで書くことは公私混同なのかもしれませんが、先生のことを少しでもみなさんに知っていただきたいという気持ちで書きましたのでご容赦いただきたいと思います。





初めてお逢いしたのは、2005年の楽器フェアだったと思います。


ESPブースにて、ESPが世界に誇る音楽学校MI JAPANの講師陣によるデモ演奏をしていただいたときです。


「藤岡先生はじめまして!ESPの佐々木です!」とご挨拶したところ、




少女のようにかわいらしいニッコニコの笑顔で




「よろしくお願いします♪」



と、この名刺を差し出されました。











MEISHI.jpg




ちょ!

ギター戦車て。。。汗。







しかも、どうして幹大の「大」だけ、青色なのか。。。





こ、これはフリなのか?



突っ込め!というフリなのか???




と一瞬プルプルと震えざるを得ませんでした笑。




この絶妙なセンスが、なんとも藤岡先生らしいんですよ〜






いちいちツッコミを入れたくなる素晴らしいセンス!笑。











藤岡先生のすごいところは、ほんとに音楽理論とか無敵の知識がありながら、



「面白ければ音楽理論的に破綻してたっておっけいじゃん☆」というセンスをもってらっしゃったところです。



理論でカチコチになったりせず、つねに「やわらかアタマ」。



これが、まさに天才たる所以だと思います。





「学んだ音楽理論が表現の妨げになったりするなら、捨てましょう」ということもおっしゃってました。



この言葉は、藤岡先生が言うからこそ、説得力がある言葉だと思います。






また、身長も158cmと小柄ですが、手も小さかったです。
先生がよく笑い話で言ってたのが、当時のMI JAPANの校長であるポールギルバートと手の大きさを比べたら、ポールの手のひらの部分だけで、藤岡先生のいっぱいに広げた手が全部入りきってしまったという伝説、、、笑。


ギターは手の大きさ関係ない!ということなんですね。






先生が育った淡路島には、楽器屋がひとつしかなくて、情報も限られたものだったそうです。





すごく印象に残ってるのが、





「いまの時代はネットに情報がありすぎて、子供たちがどの情報を選んでいいのかわからなくなっている気がする。そういう子たちがギターを嫌いになったりしないように導いてあげたいな」って。





とにかくギターが大好きで、ギターの楽しさをみんなに伝えてくれる先生でした。






僕の本業はギターメーカーの方のESPのデザインやWEB関係なのですが、

ESPの音楽学校であるESP Music Schoolがお茶の水に誕生したときは、
スタッフの人数がまったく足りなかったので、
学校のHPやYOUTUBEの動画制作など、軌道に乗るまでいろいろやってたんですよね。


そんな中で、「うちの学校はこんなすごい先生がいっぱいいるんですよ〜。みなさん気軽に無料体験レッスンに来てみてね〜」っていうのを伝えたくて、この動画をアップしてました。





この動画は、うちの生徒さんにBIGBOSSでギターをご購入いただいてお渡しするとき、


たまたまいらっしゃった藤岡先生に、


「先生〜これちょっと弾いてみてください〜♪」とお渡しして弾いてもらったんです。



そしたら、いきなしこのプレイ笑。



ギターご購入いただいた生徒さんは完全に目が点になってました笑。





こんなすごい音楽教室、他にないでしょ?笑。









藤岡先生は、ネガティブなことを決して言わない方でした。


他人のことも、アーティストのことも、どんなギターのことも、エフェクターのことも、


ネガティブなことは決して言わない方でした。




常にめっちゃポジティブでした。




だからこそ、すべてのトーンを肯定して、誰も思いつかないようなすごいフレーズをいっぱいいっぱい弾いてらっしゃったんだと思います。




ESPスタッフとして、これからも藤岡先生が残された功績を讃えながら、さらにさらにギターを広めて行きますね☆


また佐々木個人としても、先生の足元にも遠く及びませんが、マイペースにこれからもギター精進してまいります!



これからもみんなを見守っていてくださいね☆



  1. 2018/01/11(木) |
  2. 日記

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