あっきーブログ

Digidesign ProControl

先日のRoland D-50に続き、またまたメンテナンス備忘録シリーズですだ!


先日の「備忘録のありがたみ」でも触れましたが、
これは誰の為でなく、自分の為にやっていることなのですが、
こうして公開することによって、どなたかの一助にでもなれば幸いです☆

(注:修理・改造を推奨するものではありません。電気に関する基礎的な知識が必要な作業ですので、参考にされる場合はあくまでも自己責任でお願いします)




さて、レコーディング機材PROTOOLSのDigidesign ProControlのメンテナンスです。

D-50同様、昔からの憧れの機材でした〜。ベガスモードでピカピカ光るのがカッコよくて笑。
イングヴェイも使ってるんですよね☆


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例によって中古で格安で手に入れたのですが、


最近ちょっと調子が悪く、たま〜に起動したりしなかったり、、、


フェーダーが動いたり動かなかったり、、、


古い機種なので、やはりメンテナンスが必要ですだ〜ということになりました。


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パネル上のビスを1.5mm六角レンチでバスバス外して、パカッと。


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ムービングフェーダーへのケーブルや、各種コネクタを外して、パネルを取り外します。






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各種コネクタを外す前ですが、なかなか起動しなくてグズってるときに、

感電に注意しつつパワーサプライの12ピンコネクタを指でぐっと押してみたら、急に起動しました!



こ、これは、、、接点不良のサイン!!!



ブレーキランプ5回点滅ばりのサインですよ!!!





というわけで大至急!!!
Digidesignの本社のフォーラム(英語)を調べてみると、やはりこの機種はパワーサプライ部のコネクタの接点不良がいくつか報告されているようです。





パワーサプライを外して裏側を精査してみると、

やはり!

ハンダクラックを発見!

<参考画像 ハンダクラック>
HANDA.jpg


これはハンダ付けしたところが、経年変化で割れて接触不良にしまっているんですね。



大至急ハンダしなおしです!



さらに、接触悪そうなこのコネクタ。


1_2017092912171916b.jpg



アッタア来た!

ので取り払って、端子に直接配線!

男の直結です!

メンテナンス性は悪くなりますが問答無用です。



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残りのピンも、このあと熱収縮チューブで絶縁しておきました。


この機種は静穏化のためにファンを省いてあるので、熱がこもるんでしょう。

熱がこもって熱くなったり冷えたりを繰り返すとハンダクラックの原因にもなります。

そこで、家にあまってたPC用ファンを本体後方の通風口に増設することにします。

12VのACアダプターで駆動です。(写真撮り忘れました)






さらに、たまにフェーダーが動かなかったりしたのですが、



これはフェーダーを支える鉄の棒2本。



digifader.jpg




こちらを無水エタノールで掃除し、自転車などにつかうテフロン含有の潤滑剤を付けたところ完治しました!






KURE5-56やワセリンなどでもよいのですが、埃が付着して逆効果になる場合もありますので、テフロン含有のドライタイプの潤滑剤、いろいろオススメです☆


これにて無事に安定動作するようになりました〜(^○^)




起動しなかったりする場合は、原因はいろいろありますが、

たいてい電解コンデンサの容量抜けか、このハンダクラックが多いみたいですね。






メーカーサポートもとっくに終了した古い機材ですが、愛情を持って接すればまだまだ長く使えそうです☆



  1. 2017/09/30(土) |
  2. ギター・エフェクター

Roland D-50


3_2017091913000502d.jpg


Rolandの名機、D-50というシンセサイザーです。

なんと1987年に発売されて、ちょうど今年で30周年なんですね!



このシンセは本当に画期的で、まさに時代を変えた一台なんです。


デジタルシンセサイザーで歴史を変えた名機を3つ挙げるとすれば、

YAMAHA DX-7、Roland D-50、KORG M-1ということで異論はないのではないでしょうか。


YAMAHA DX-7が切り開いたデジタルシンセの世界を、

Roland D-50が別の切り口で革命を起こし、

KORG M-1がそれらを誰にでも簡単に理想のサウンドが出せるデジタルシンセ=ワークステーションとしてひとつの完成形にした、と言えると思います。


さて、そんなD-50ですが、何が画期的かというと「LA音源がどうの」という技術的な部分はさておき、

とにかく「もともと内蔵されているプリセット音色が素晴らしかった」という一言に尽きるのではないかと思うのです。



その証拠にそのプリセット音色が、数多くの歴史的楽曲でそっくりそのまま使用されてます。

Michael Jacksonの"Bad"アルバムでもあちこちでD-50サウンドが聞けますし、

なんといってもエンヤのトレードマークとも言えるあのピチカートサウンドもこのD-50です。

音楽好きなら誰もが聞いたことのあるサウンドと言えるのではないでしょうか。




プリセット84番の"Afterthought" がイントロから、いかにも神秘的なキラキラサウンドを奏でてますね。



プリセット44番の"Pizzagogo"が、まさにこの楽曲の核となっています。こちらも誰もが聞いたことあるサウンドかと。



ていうかエンヤのライブに行って、このサウンドじゃなかったら、ちょっとがっかりですよね!笑。

それくらい、音色が楽曲と一体化しているんです。これは本当にすごいことだと思います。


その他、“Fantasia”や"Digital Native Dance”などのプリセットサウンドは歴史に残る名作で、いろんなアルバムで聴くことができます。

これほどプリセット音がそのまま使われているシンセは、ちょっと他にないのではないでしょうか。

有線などで80'sっぽいアーティストの音楽を聞いていると、思わずニンマリしてしまうことが多々あります。





さて、前置きが長くなってしまいましたが、、、



我が家のD-50さんは、池袋ペンタでスタジオレンタル用としてボロボロに使い果たされたのを1994年に購入したものです。

憧れの機種だったのですごく嬉しかったのを覚えてます。

当時の自宅レコーディングではカセット方式のMTRを使用していたので、Roland D-50のプリセットサウンドでいろいろデモテープを作成してました。
音色にインスパイアされて曲が生まれたりしてましたね。

PROTOOLS導入後はソフトウェアシンセの時代がやってきましたので、もっぱらMIDI入力用キーボードとして使用しており、最近は本体のプリセットサウンドはまったく鳴らしてませんでした。

でもつい先日、久しぶりになつかしくなって、本体のサウンドを鳴らしてみようかと思ってヘッドフォンをつないでみたところ、



なんと!!!



全く音が鳴らない!!!



ネットで調べてみたところ、これは内蔵電池が消耗して、内蔵データーが消えてしまったことが原因とのことでした。


さらに追加でわかった情報は、、、


なんとRoland社ではD-50のリペア・メンテナンスがとっくに終了していたという悲しすぎる情報!!笑。


そら30年も前の機材だから仕方ありませんな。




これはもう、、、自分で修理するしかありませぬ!!!



というわけで一念発起し、内蔵プリセットの復活と同時に本体内部の掃除をいたしましたので、備忘録としてここに記しておきます。

(備忘録のありがたみは、先日の記事をご参照ください。また数年後に自分で検索して自分のブログにたどりつく可能性が大なので・・・笑。さらに面倒ではありますが可能な限りに写真に撮っておくと、分解したものをもとに戻すときとかに役立つことが何度もありました。なので写真もなるべくアップしておきます。)






まず本体の分解は、本体背面と後部のビスを外すことからスタート。


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分解自体はこういうのに慣れた人ならば特に難しくないはず。

お魚のように簡単に3枚におろせました。



ここで内蔵電池を交換します。

電池の種類は一般的なCR-2032です。

ここで注意点としては、電池は上側へスライドさせるようにして外す必要があるので、基盤をいちど取り外さなくてはいけません。




さてここからキーボードの清掃です。

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鍵盤を取り外すには、赤矢印のバネを外し、青矢印の裏側にある両面テープで貼付けてあるだけのプラ板を外し、手前方向にひっぱるだけで簡単に外せます。

鍵盤を外すとなんと!

こんなにもホコリが!!!


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白い紙をめくるとゴムのボタンがあります。これは1オクターブごとになってますので、めくってはがし、赤矢印のタッチセンサー部分を綿棒でお掃除いたします。
おいどんは無水エタノールをちょこっと使用しました。


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そして元通り組み立てて完成です!




さて今度はプリセットを復活させます。


ここで、D-50に付属のプリセットカードがあれば簡単に戻せたはずなんですが、
引っ越しのときにぶつけたりしたらやだなとおもって抜いたところまでは覚えているのですが、
一体どこにしまったのか全く覚えていないことが発覚!笑。


ということで、Macに保存したsys形式のプリセットファイルをMIDI経由でトランスファーすることにします。


Mac用ソフトのSysEx Librarianを起動。

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MIDIインターフェースのUM-ONEをMacに接続。
(MIDIインターフェースのドライバをMacにインストールしておく必要があります)

SysEx LibrarianにてMIDIデバイスを選択し、UM-ONEが認識されていることを確認。

UM-ONEをD-50に接続。

D-50のTUNE/FUNCTIONキーを押し、ProtectをOFFに。

MIDIキーを押して、ExcluをONに。

D-50のDATA TRANSFERボタンを押しっぱなしにしながらB.Loadボタンを押します。

【注意】ここ大事です!DATA TRANSFERを押しっぱなしにしながらB.Loadボタンを押さないと、なぜだかエラーになります。

そうするとWAITING…と表示されますので、
SysEx LibrarianにD-50のプリセットパッチのSYSを放り込み、再生ボタンを押します。

D-50にてLoading…と表示され、数分でCompleteとなるはずです。

これにてD-50にプリセットパッチがMIDI経由にてインストールされるはずです。


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なお、この作業は現在本体に入っているプリセットをすべて上書き消去してしまいますので、自分でいじったデーターを保存したい方は、事前にMIDI経由でMacにバックアップをしてから作業してくださいね。




さらに!



本体のプリセットを切り替えるスイッチが経年劣化で接触が悪くなっており、接点復活材で応急処置を試みるも効果がいまいちだったため、アッタア来たのですべて交換することにしました。

カチカチとクリック感のよいこのスイッチは、純正ですとアルプス電気製のSKHHAMA010という品番のタクトスイッチですが、今回はより耐久性の高いSKHHAKA010をセレクトしました。


SKHHAKA010.jpg


アルプス電気
http://www4.alps.co.jp


こちらよりネット通販で60個まとめ買いしまして、怒濤の54個連続ハンダ付け!!!


行程としては、ハンダ付けされてる箇所をハンダ吸い取り線を当てて、上からハンダで熱して吸い取らせていきます。
溶けにくい場合にはコテ先にちょっぴりハンダをのせて古いハンダの化学反応を誘発してやればよいです。
くれぐれもハンダコテで熱しすぎて、基盤にダメージを与えないように気をつけましょう。

ハンダを吸い取ったら端子の足をニッパーでちょん切り、さらにハンダ吸い取り線で残りを吸い取ると簡単に外せます。

取り付けるときにはSKHHAKA010の向きがありますので要注意です。

そして新しいSKHHAKA010をちゃちゃっとハンダ付けしていきます。

取り付ける時はほんとに一瞬なんですが、なんとも外すのがちょこっと大変です。

ハンダ吸い取り線を全部使い切る勢いで、徹底換装いたしました!!!





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以上、いろんな海外サイトにて情報を集めて、ここまで出来ました。

情報をアップしてくださった外人のみなさん、誠にありがとうございました。

欧米のみなさんは古い機材をメンテしていつまでも丁寧に使い続けてる方が多いですね〜

さらにメンテ方法をYOUTUBEなどで丁寧に公開してくださってたり、とても機材愛を感じました。





日本語の情報は検索してもパッと出てこなかったので、このブログがどなたかの参考になれば幸いです。


なお、上記の作業はすべて自己責任でお願いいたしますね。



ちなみにAZRAELのキーボードきたたくさんも最近D-50を手に入れたそうなので、いつかきたたくさんもこのブログを参照するかもしれませんね笑。



  1. 2017/09/19(火) |
  2. ギター・エフェクター

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